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世界の解像度
生物系の研究者やマニア、動物写真家の方々とたまにご一緒することがありますが、ほんの少し人工湿地の周辺を歩くだけで、私が見落としてしまう様々な生き物を次々に見つけていきます。私には大概地面の一部にしか見えないので、彼らの自然やその中で生息する生き物への感度や造詣の深さにはいつも感動させられます。世界の解像度や彩度、刻々移り変わる形態の微妙な差異の知覚など動的な感受性がまるで違うなと思い知らされます。
私の眼の解像度が荒いのか、生態系に関する知識が浅いのか、解説付きで指し示してもらって初めて生物だと認識できます。まあ、認識できたところでミミズですね、カエルですね、クモですね、トリもいますね、と生態工学系のエンジニアとしては恥ずかしい答えしか返せないので、いつか賢そうな話が出来ればいいなと現場で見かけた生き物をちょいちょい撮影しています。
このカタツムリもたまたまシートの上にいたので見つけましたが、殻に毛が生えているのは帰って写真を見返しているときに気づきました。
私の目がまだまだ節穴なのは間違いないですね。
扉を開けるとご対面
特別天然記念物
人工湿地を設置する現場,特に有機性排水を処理する現場は地方の山間・中山間地域に位置することが多いのですが,そういう場所では都市部であまり見ない生き物を見かけることがあります。写真はカモシカが現場を通りすがった時の様子です。人生二度目の遭遇で,私にとってはクマよりも出会うことは稀ですが,1955年に3,000頭と推定されていた個体数が,1978年には75,000頭まで増えて食害も出ているという記事を見ると意外とその辺にいるんだろうかと思ったりします。
ただ,野生鳥獣による山林の被害を見ると,令和5年度(2023年)の森林被害面積約5,200haのうち,シカが62%に対してカモシカ2%と大分開きがあるので,やっぱり少ないんですかね。
(引用サイト)
・ 農林水産・食品産業技術振興協会,日本の特別天然記念物【動物と植物】 -カモシカ,https://www.jataff.or.jp/monument/2.html,2025/5/18参照.
・ 林野庁,野生鳥獣による森林被害,https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/tyouju.html,2025/5/18参照.